色々なデザインがある革靴の中で、最も“華やか or トラディショナルなデザイン”は、何か。
それは間違いなく「ウィングチップ」だといえるでしょう。
つま先にW文字の装飾が入っているウィングチップは、「2、3足目の革靴ならウィングチップ」なんて言われるほど定番&人気の革靴。
ワークシューズに起源があるため、冠婚葬祭で履くことこそ出来ませんが、ほどよいドレス感は、昨今のビジカジスタイルの普及とも相性◎なのです。
今回の記事では、革靴デザインの1つ「ウィングチップ」にフォーカスして、基本知識やオススメモデルなどを紹介していきます。
「ウィングチップって、つま先にWがあるヤツ・・・だっけ?」
「お洒落だから興味はあるんだけど、何か種類が多くてよく分からない」
そんな疑問や悩みをお持ちの方のお手伝いができれば幸いです。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
ウィングチップとは?
では早速、ウィングチップの基本知識を解説していきます。
▽30秒で簡単にまとめた動画も作りましたので、よろしければご覧ください。
つま先に「W文字の装飾」がある革靴デザインの“総称”
「ウィングチップ」とは、つま先にW文字の装飾(生地の切り返し)がある、革靴デザインの総称です。Wの飾りが、“鳥の翼(Wing)”のように見えることから、そう呼ばれています。
つま先のW文字以外にも、ウィングチップには、
- ブローグ(穴装飾のこと)
- メダリオン(ブローグで描いた図形)
- パーフォレーション(線状に並んだ穴装飾)
といった特徴的なディティールがあります。でも実は、W文字の装飾さえあればウィングチップと呼ばれることをご存知ですか?。
ウィングチップがウィングチップたる「存在証明(レゾンデートル)」は、他でもない、“W文字”というワケなのです。。
ざっくり、4種類に分類できる
さて、ウィングチップと一口にいっても、
- 外羽根ウィングチップ
- 内羽根ウィングチップ
- モンクストラップ・ウィングチップ
- ローファー・ウィングチップ
といったように様々なデザインが存在します。
一体、それぞれ何が違うのか。それは、足の甲のデザイン(靴ひもを通す穴がある周辺)です。
少々ややこしいのですが、ウィングチップという名称は、厳密にいうと“つま先のデザイン”であって、革靴全体を指す言葉ではありません。
革靴は主に「つま先のデザイン」と「足の甲のデザイン」の組み合わせに応じて、最終的なデザインが決まります。
それぞれの組み合わせの特徴を解説していくので、ぜひチェックしてくださいね。
【高いフィット感】外羽根ウィングチップ
ウィングチップのつま先と「外羽根(ブラッチャー)の足の甲」を組み合わせたタイプです。
この後で紹介する内羽根(バルモラル)よりフォーマルレベルが低いのですが、構造上、靴ひもを締めたときにフィット感を得やすく、足が痛くなりにくいという特徴があります。
【1番フォーマル度が高い】内羽根ウィングチップ
ウィングチップのつま先と「内羽根(バルモラル)の足の甲」を組み合わせたタイプです。
ウィングチップの中で、最もフォーマル度の高く、スーツとの相性も◎です(それでも冠婚葬祭での着用はNG)。その一方で、直前で紹介した外羽根(ブラッチャー)と比べると、許容できる足の甲の高さが少々シビア。甲高な足タイプの人は、そもそも痛くて履けないといった弱点があったりします。
【金属パーツがエレガント】モンクストラップ・ウィングチップ
ウィングチップのつま先と「モンクストラップ」の足の甲が組み合わさったタイプです。靴ひもの代わりに、金属バックルとベルトで締まり具合を調節します。
他の組み合わせにはない金属バックルの存在感は大きく、ラグジュアリー感がなかなか高い特徴がありますね。
【こだわってる感を演出】ローファー・ウィングチップ
お馴染みローファーのつま先にウィングチップがあるタイプです。
学生靴としての印象が強い方もいるかもしれませんが、つま先がウィングチップになることで一気にお洒落なメンズアイテムに早変わり。そして、脱ぎ履きが楽というポイントは、やっぱり嬉しいものです。
水はけを良くするために穴をあけたワークシューズが起源
ウィングチップの多くが、メダリオン(穴装飾で描いた図形)やパーフォレーション(線状に並んだ穴装飾)を施されていて、非常に華やかです。
ですが、これらのディティールは元々、水はけを良くするために靴に空けられた穴だと言われています。要は、かつての「水抜きの穴」が「デザイン要素」として昇華・進化した形なんですね。
そもそもウィングチップの起源は、16~17世紀ごろのワークシューズ(労働靴)にあるといわれています。ウィングチップがフォーマルな席に適さない理由の1つがこの歴史的背景にもあります。
近年はスーツスタイルのカジュアル化も進み、冠婚葬祭での着用はできずとも、スーツと合わせることは問題ないようになってきました。
おすすめウィングチップ12選
さて、ウィングチップの基礎知識をおさえたところで、おすすめのウィングチップを12モデル紹介します。
実際にウィングチップを購入するときの参考にして頂ければ幸いです。
– ブランド名 – 59,840円 |
– ブランド名 – 187,000円 |
– ブランド名 – 38,500円 |
– ブランド名 – 13,200円 |
– ブランド名 – 6,580円 |
– ブランド名 – 16,500円 |
– ブランド名 – 121,000円 |
– ブランド名 – 39,600円 |
– ブランド名 – 3,575円 |
– ブランド名 – 46,200円 |
– ブランド名 – 30,800円 |
– ブランド名 – 12,980円 |
– 価格帯 – 大塚製靴 |
– 価格帯 – オールデン |
– 価格帯 – リーガル |
– 価格帯 – テクシーリュクス |
– 価格帯 – フォクスセンス |
– 価格帯 – ケンフォード |
– 価格帯 – トリッカーズ |
– 価格帯 – バーウィック |
– 価格帯 – スリーエイ・プラス |
– 価格帯 – リーガル |
– 価格帯 – リーガル |
– 価格帯 – フォックスセンス |
明治5年創業の老舗ファクトリーが、令和を生きる日本男児のために。
日本人の足を140年以上追及してきたノウハウが搭載されており、足を正しくホールド。疲れにくい一足に仕上がっています。
購入後すぐに柔らかい履き心地を体感して頂けます。
アメリカの革靴文化をけん引してきたオールデンのアメトラウイングチップ
……ということで、米国靴文化を象徴するシューズメーカー『オールデン』のアメリカンブローグを紹介します。
オールデンの代名詞ともえる、高級革素材・コードバン。そのツヤ感から“革のダイヤモンド”と称されるコードバンをアッパーに採用しています。
発売から40年以上!! 今も愛され続けるロングセラー・ウイングチップ
発売から0年以上も生産され続けるロングセーラーモデルで、ソールの修理交換可能なグッドイヤーウェルト製法を採用しています。
全体的にカジュアル感が高めなので、スーツよりもジャケパンスタイルに合わせていきたいですね。
▼紹介したウイングチップのレビュー
RIZAPコラボ!歩くだけでトレーニングになる革靴
こちらはRIZAPとコラボした商品で、スニーカーのような履き心地に、「歩くだけでトレーニングになる」機能性もプラスしています。
▼紹介したウイングチップのレビュー
5.0
とてもおしゃれなデザインで、本革で痛くなくとても良い。引用元:楽天市場
5.0
光沢感が上品でした。歩くと足が鍛えられるのがわかります。引用元:楽天市場
とりあえずお試しで欲しい人へ!お手頃価格のウィングチップ
つま先のメダリオン(穴装飾で描いた図形)をなくし、さらにパーフォレーション(線状の穴装飾)の面積を減らすことで、非常にスッキリとした印象に仕上がっています。
▼紹介したウイングチップのレビュー
ビジネスシューズ
4.0
初めてビジネスシューズを買ってみました!お得感100%にもかかわらず、値段が極端に安くなっていることに、過去に店頭で見かけた粗悪品とダブって意識していた自分が情けないです(笑)サイズさえしっかり確認できれば品物については言うことなし!凄く満足しています!!これからは定期的にチェックして買っていきたいと思います!!引用元:amazon
幅はそれほどでもなく縦幅は大きい
4.0
画面で見たとおりスタイリッシュで格好いいので満足しています。革も硬くないので偏った皺が寄ることもありません。ただ、サイズは3Eですが、それ程幅は広く感じられません。冬に厚い靴下を履いても楽なように1センチ大き目でもいいと思いジャストサイズで購入しましたが、縦の長さは1.5センチ程大きいです。引用元:楽天市場
日本革靴の王道・リーガルの弟分による、初心者向けに丁寧にデチューンされた一足
生産コストをおさえたセメンテッド式(協力接着剤方式)にすることで、リーガルの高級感をそのままに、コストダウンに成功しています。
またまだ革靴初心者にピッタリの一足。勿論、とりあえず、ウイングチップをお財布を温めつつ揃えておきたい上級者にもオススメです。
▼紹介したウイングチップのレビュー
1足を最初から最後まで担当して、魂を吹き込むトリッカーズの定番
革靴は複数の職人が協力・分業して作っていく体制が一般的なのですが、トリッカーズでは1人の職人が1足まるまる担当するベンチメイド体制をとっています。
▼紹介したウイングチップのレビュー
大変満足です!
5.0
商品、お店の対応については、大満足です!サイズも普段27.5センチのスニーカーを履く私ですが、UK8でぴったりでした!(当方ワイズ小さ目)
また違う色の購入も考えてます!引用元:楽天市場
かっこいい
5.0
リーガル24.5、レッドウィングのDウィズはUS8、コンバース26、NIKE26.5を履いています。
甲高・幅広の私はいつもサイズに迷いますが、UK7にしてみました。
結果、多少の余裕を感じますが、横幅がフィットしているので、自分にはベストチョイスかなと思います。
甲高・幅広ではない方は、リーガルサイズでも十分だと思われます。
履きなれてソールが沈んだら、インソールで調節するつもりです。引用元:楽天市場
カジュアルシーンに合わせたい、上品なスエードコンビネーション
休日用にビジネス用とはハッキリと印象を分けた一足が欲しい人向けのモデルと言えますね。
ロングノーズな、お手軽価格のウイングチップ
ウイングチップ=カントリーというイメージは広く根付いているため、生産されるウイングチップのシルエットもつま先が丸みを帯びたカジュアルテストなものが多いです。
ドレスライクなジャケパンスタイルに合わせたい一足を探しているときに、丁度いいアイテムだと言えますね。
そんな中で、今回紹介するウイングチップはノーズが長く、実にドレスライク。
▼紹介したウイングチップのレビュー
4.0
価格が安く、品質に一抹の不満があったが、思ったより履きやすく良い買い物だったと思う。引用元:楽天市場
華やかフォーマルな一足が欲しい人向けの一足
フランス・アノベイ社の高級天然皮革を採用しているため、革質の艶感はハイクオリティ。バルモラル(内羽根)でフォーマル度の高い構造的仕様も相まって、非常に上品な印象に仕上がています。
スーツスタイルに合わせるとっておきの一足をお探しの方にオススメの一足ですよ。
ちょっぴりお洒落な変わり種!! ウイングチップ×タッセルローファー
ビジネスシーンでちょっと周囲と違うお洒落なカンジを出したいときにピッタリな一足。
▼紹介したウイングチップのレビュー
こだわりのカスタムシューズ感を演出!! ウイングチップの特殊モンクストラップモデル
【おまけの教養コーナー】
ここからは、ウィングチップにもっと詳しくなりたい人に向けた知識や解説をご紹介します。
ウィングチップは米国読みで、フルブローグは英国読み
ウィングチップという名前は実はアメリカでの呼ばれ方。イギリスでは「フルブローグ」と呼ばれています。
ブローグとは「革に穴を空けて作った装飾」こと。
メダリオンやパーフォレーションはブローグの1種です。
ブローグが施された革靴デザインもいくつかありますが、その中でもウィングチップ(フルブローグ)は、最も装飾性が高いデザイン。だから“フル”ブローグというわけです。
ブローグの量で、デザイン名が段階的に変わる
フルブローグ(ウィングチップ)以外にも、名前に「ブローグ」が入っている革靴デザインはいくつもあり、それらはブローグの量(装飾具合)に応じて段階的にデザイン名前が変化していきます。
ここでは、段階的に変化していくブローグが施された革靴デザインを解説していきます。
少々、ウィングチップの本筋からは脱線するので、興味がある方は下(↓)の部分をタッチ/クリックしてみて下さいね。
フルブローグ(ブローグ率 100%)
今回の記事の主役であるウィングチップ。詳しい解説はもう不要でしょう。ブローグ系の中で最も装飾度が高いデザインです。
セミブローグ(ブローグ率 50%)
つま先のW文字を「横一本線」に変更したデザインをセミブローグ(またはハーフブローグ)と呼びます。装飾のレベルがセミ(ハーフ)、つまり半分になっています。
この時点で既にウィングチップではなくなり、ドレス感がアップしています。
ウォーターブローグ(ブローグ率 25%)
セミブローグから、メダリオン(つま先にある、穴装飾で描いた図形)を取り除くと、今度はクォーターブローグと呼ばれるようになります。1/4になりました。
かなりドレス感が高くなり、スーツとの相性もより良くなっていきます。
パンチドキャプトゥ(ブローグ率 僅か)
つま先の一本線にのみ穴飾りがあるデザインを、パンチドキャップトゥと呼びます。フル(1/1)→セミ(1/2)→クォーター(1/4)という具合に、半分になり続けてきましたが、ここでブローグの枠から外れて呼び方が変わります。
そして、呼び方が変わると共に、このデザインの内羽根モデルから、結婚式での着用がマナー的にOKになります。そういう意味ではこの世で最も華やかでフォーマル感のあるモデルとも言えるのです。
ストレートチップ(ブローグ率 0%)
冠婚葬祭からビジネスシーン、少し無理があるけどカジュるシーンでも着用できる万能デザインです。
ブローグがないデザインなので、本来はここの区分に入らないのですが便宜上入れております。
あとがき
以上、ウィングチップの基礎知識とオススメモデルを紹介しました。
参考になりましたでしょうか?
革靴初心者にも2足目3足目の革靴としてウィングチップ、非常にオススメです。
『明治生まれの靴博士』編集部の玄木がお送りしました!
明治5年から150年近く“日本人の足のための靴づくり”を続けてきた、日本最古の紳士靴ブランド『大塚製靴』。