「三陽山長ってどんなブランド?」
「けっこう価格帯が高いけど、品質はどうなの?」
「人気商品ってどれ・・・?」
皆さんこんにちは。
『明治生まれの靴博士』編集部の大山です。
皆さんは
『三陽山長(サンヨウヤマチョウ)』というブランド名を知っていますか?
革靴好きな人たちの間では「ヤマチョウ」という愛称で呼ばれることもある、日本発高級革靴ブランドです。
三陽山長が革靴業界にデビューしたのは2001年。
日本で西洋靴の製造が始まったのは明治3年頃なので、日本の革靴ブランドとしては、そこそこニューフェイス。
しかし、そのクオリティは海外の一流革靴ブランドにも引けをとらないほど。
20万円する海外の革靴に魅せられたとき、台所事情も考えた現実的な代わりの選択肢として、三陽山長の革靴が選ばれることもあると言われています。
今回の記事では、そんな三陽山長の魅力と定番の革靴モデルを紹介・解説していきます。
「三陽山長について知りたい」
「三陽山長のオススメ商品を知りたい」
そんな皆さんのお手伝いができれば幸いです。
三陽山長の特徴と魅力
では早速、三陽山長の特徴・魅力について解説していきます。
品質本位をコンセプトに掲げる、高級革靴ブランド
三陽山長がかかげるブランドのコンセプトは「品質本位」。
革靴業界には、三陽山長以外にも、
工業製品として合理的&良コスパな靴づくりを徹底する『リーガル(REGAL)』。
革靴の登竜門として名前があげられる『スコッチグレイン(SCOTCH GRAIN)』。
日本最古の紳士靴メーカーとしての歴史と伝統を裏打ちするハイクオリティな『大塚製靴』。
——などなど特徴的なブランドが揃っていますが、『三陽山長』は、それらのブランドとはまた違った方向性をもつ革靴ブランドなのです。
三陽山長といえば、とにかく高クオリティ。
そのため、価格帯も7~10万円超えと、クオリティに相応しい、嗜好品の領域に達しています。
技・粋・匠の3大理念
三陽山長の品質本位とは、すなわち「日本人の足に合う靴つくり」。
その想いを実現するため、三陽山長は、
- 技(ブランドコンセプト「品質本位」を実現する技術)
- 粋(三陽山長を選んでくれた日本人を、最高の紳士として見せたいという想い)
- 匠(海外に遅れを取らないその道の達人が集っていることへの誇り)
以上、3つの精神・理念を掲げて、靴づくりを続けています。
これらの理念を象徴する1つが「スキンステッチ」。
ぶっちゃけ、この装飾はあっても・無くても履き心地(実用性)に影響はありません。
それでも、この革靴を手に取った人を最高の紳士に魅せるたいという「粋」な思い。
そして、それを実現する「技」をもつ「匠」が集っているという誇り。
そこに三陽山長の本質があるわけですね。
“日本人の足”のために開発・進化してきたラスト(木型)
日本人の足に合う革靴を仕立てるため。その一心で、三陽山長はブランド独自のラスト(靴作りのベースになる型)をどんどん進化させてきました。
後ほど紹介するオススメモデルに実際に採用されているラストも含めていくつかご紹介します。
10年間分のデータを反映させた傑作ラスト「R2010」
三陽山長10周年を記念する形で、2010年に開発されたラストです。10年の間に寄せられた声やデータを基にして、時代と共に変わりゆく日本人の足の形に合わせて進化しました。
傑作ラストとして、今も多くの革靴に採用されています。
傑作ラストをスリッポン用に進化させた「R2013」
2013年に完成したラストで、1つ上で紹介したR2010のラストをベースに進化させたラストです。ローファーや
三陽山長の定番スクエアトゥラスト「R309」
傑作ラストR2010と同時期に登場したラストの1つ。つま先が少し角ばっているスクエアトゥなので、シャープな印象になるのが特徴。かつてはイタリア革靴に見られた特徴でもあるので、色気のある革靴ともいわれる。
ドレスシューズ(コンフォートシューズ)のために開発された「R2010CF」
三陽山長の傑作ラストR2010をベースに、ドレスシューズ用として開発されたラストです。
三陽山長のおすすめモデル12選
ここからは三陽山長のおすすめモデルを紹介します。
実際に、商品を購入したくなったときの参考にしてみてくださいね。
※各商品の価格は2020年10月16日時点でのものとなります。
20年愛され続ける、三陽山長の傑作モデル
足を入れたとき、靴内の空気が行き場を失い<スポッ>と音を立てて抜けるともいわれるほど、日本人の足に無駄なくフィットしてくれます。
ウィンザー公が愛したデザインを、MADE IN JAPAN で
飛行操縦士のブーツに起源があるとされるダブルモンクストラップだが、今は立派なドレスシューズとして親しまれています。
ミシン縫いでは再現できない職人仕事を
つま先のU字装飾に注目。ここに施されているステッチは「スキンステッチ」と呼ばれるもの。革の表から針を刺して、裏側に貫通させずに縫っていく……つまり、厚さ1.数ミリの内部で針をUターンさせるという技術が使われています。
学生時代にもお世話になったローファーの究極形
ヒールカップ(かかと部分)を小ぶりに。そして、甲の高さを低めに調整することでホールド感をUP。ローファーを履いた時の“カポカポ”する感じが起きないようになっています。
足の甲のU字飾りのステッチも勿論、手仕事。
素材と装飾どちらも最高級の、華やかな一足
ヴァサッ!と鷲が羽根を広げるかのように、ブローグギング(穴装飾)とにかく華やかで存在感があります。きめ細かく上質なレザーもあって、足元のレベルと一層高いレベルへと引き上げれくれます。
王道を全力で極めた、基本・初心の頂点
履き心地(特に靴底の反りかえり)改良のために中底を新開発したり、本来目に見えないけれどこだわってきた内部素材を更に見直したりと、奇をてらうことなく友二郎のクオリティを底上げしまくった一品です。
お値段も相応の10万超えとなっていますが、“革靴の沼”にハマり、合理性ではなくロマンを追求し始めた紳士にとっての選択肢の1つとしてなることでしょう。
チノパンの足元を上品にまとめてくれるスエードモンスストラップ
ドレッシーなシルエット。カジュアルなスエード。そして、金属バックルのエレガントさが、足元がのっぺりしないよう引き締めてくれます。
また、バックル部分にゴムが仕込んであるため、脱ぎ履きも楽。休日を全力で満喫したい方にピッタリと言えますね。
縫いが見えない「レベルソ仕上げて」
「縫った部分を織り込んだだけ」。言葉にするなら確かに簡単ですが、そのためには、織り込む作業、織り込んだときに厚みがでないよう革を薄くする作業などなど、手間が増えること増えること。
縫い部分が見えていても、見えていなくても、着用できるシチュエーションが変わることはありません。正直、どっちでもいいのです。しかし、どっちでもいいけれど、この職人ワザが詰め込まれることに意味を見出す革靴フリークにはたまらない一足となっているはずです。
色気のあるイタリア革靴の面影を採り入れた基本モデル
スクエアトゥはイタリアの革靴に多くみられることから、いわゆる色気のあるディティールとして知られています。かつてスクエアトゥが流行したときはもっと直・角な感じでしたが、現在はほどよく丸みを付けることで、今のトレンドに馴染んでくれました。
プレーンなデザインが逆に目を引く一足。
つま先がストレートチップなので、非常にドレッシーに仕上がっています。
スニーカーの履き心地に、英国の傑作モデルをリスペクトして。
かつてウィンザー公が愛した革靴デザインをリスペクトしているため、英国スーツスタイルに合わせる一足を探している人は是非。
あらゆるシチュエーションで最高の履き心地を
ジャケパンは勿論、スーツとも相性抜群。
いわゆる接着剤で靴底をくっつけるセメント製法なのですが、オールソール交換を実現しているモデルでもあります。
あとがき
以上、三陽山長について紹介・解説してきました。
参考になりましたでしょうか?
MADE IN JAPAN の誇りと実力を背負って、世界に挑戦し続ける三陽山長の革靴。
実用品としてだけではなく、嗜好品・突き詰めたクオリティというものに憧れ・理解がある方は是非三陽山長の革靴を試してみてはいかがでしょうか。
『明治生まれの靴博士』編集部の大山でした。
ではでは。
明治5年から150年近く“日本人の足のための靴づくり”を続けてきた、日本最古の紳士靴ブランド『大塚製靴』。