革靴の中でも、靴ひもの代わりに「ベルト&金属バックル」をもつことで異色な存在感を放つ「モンクストラップ」。
靴ひもを結ぶ“いつもの革靴”とは明らかに違う“特別感”から、一見すると、上級者向けの革靴なのかな?と思いきや、そんなことはありません。
それどころか、オンでもオフでも活躍してくれる、とても便利で頼れる革靴なんです。
今回の記事では、そんな革靴モンクストラップにフォーカスして解説していきます。
「金属パーツがあるけど、これ本当に仕事で履いていいの?」
「シングル? ダブル? 種類があるみたいだけど何が違うの?」
そんな疑問をもつ方のお手伝いができれば幸いです。
まず始めに、モンクストラップとは?
まず始めにモンクストラップの基本知識をおさえていきましょう。
▽モンクストラップについて30秒で簡単にまとめた動画も作りましたので、ぜひご覧ください。
モンク(修道士)の靴を起源とする革靴の一種
モンクストラップは革靴の一種。名前にモンク(修道士/英語: monk)という言葉が残っていることから分かるように、かつて修道士が履いていた靴が起源になっているといわれています。
ベルト&バックルで締まりを調整する、靴ひもが無い革靴
モンクストラップは、ベルト&金属バックルで締まり具合を調節するタイプの革靴です。
金属バックルの光沢があるため、他の革靴では真似できないラグジュアリー感があるのが何よりの特徴ですね。
靴ひもがなくてもスーツに合わせられる唯一の例外
スーツには、靴ひもがある革靴を合わせる。これが革靴TPOの基本・・・と言われる中、モンクストラップは唯一の例外として、スーツスタイルに合わせることが出来ます。
勿論、ジャケパンを始めとしたカジュアルなコーデに合わせることが出来るため、モンクストラップはとても汎用性に優れているのです。
ビジネスは勿論。結婚式での着用も可能。ただし、金属パーツが葬祭にそぐわないため、お通夜やお葬式での着用はNGであることを忘れないようにしてくださいね。
また、どうしてもラグジュアリー感が出てしまうため、就職活動の場だと「生意気ッ!」と受け取られる可能性もあるため、着用は念のため避けておきましょう。
主に、ダブルとシングルの2つに分類できる
モンクストラップは、ストラップ(ベルト&金属バックル)の数によって2つに分類することができ、それぞれ微妙に異なる特徴をもっています。それぞれしっかり確認してきましょう。
1.シンプルで寡黙な、“シングル”モンクストラップ
ストラップが1つのモンクストラップは「モンクストラップ」や「シングルモンクストラップ」と呼ばれます。モンクストラップと言ったら、基本的にコレです。
足の甲で何度も交差する靴ひもの代わりにベルトが1つと、実にシンプル。
金属パーツの光沢では隠しきれない、上品な寡黙さがありますね。
上品なコーディネートに仕上げたいのであれば、この後紹介する「ダブルモンクストラップ」よりも、このシングルモンクストラップがおすすめです。
2.ミリタリー出身のラギットな面影が残る、“ダブル”モンクストラップ
「ダブルモンクストラップ」とは、ストラップが2つあるモンクストラップのことです。
ウィンザー公ことエドワード8世が、今も残る英国シューズブランド『ジョン・ロブ』に注文した「ストラップが2つある靴」が原型だと言われています。
「ストラップの数を増やしただけ」と思いきや、『ジョン・ロブ』はオーダー品のベースにしたのはアビエイターブーツ(飛行操縦士靴)。
つまりダブルモンクストラップは、修道士靴を起源とするモンクストラップに属しつつ、ミリタリー系の家系でもあるわけです。
そのため、ダブルモンクストラップは、クラシックスーツとの相性がいいだけでなく、ツイードジャケットなどのラギットなコーディネートとの相性もいいとされているのです。
おすすめのモンクストラップ9選
ここからは、おすすめのダブルモンクストラップを紹介してきます。
実際に商品を選ぶときの参考にして頂ければ幸いです。
※掲載している価格などの情報は、2023年12月時点でのものとなります。
スニーカーの履き心地を特徴のモンクストラップ・革靴スニーカー
スニーカーにも使われる靴底を採用することで履き心地を格段にUP。アッパー(足の甲を包む部分)も天然皮革を採用しているので、安っぽく見えないよう仕上がっています。
リーズナブルなモンクストラップを探している方は是非。
▼紹介したモンクストラップのレビュー
品位と履き心地を両立したレザースニーカー
「より足を長く、細く見せる」を追求して生まれた”スワールトゥ”と。
”モンクストラップ”をかけ合わせ、“品位”という言葉を体現した1品に仕上がっています。
スワールトゥとは、2本のラインをつま先まで伸ばしたデザインのこと。
デイリーユースしたい方はぜひチェックしてみてくださいね。
最上級の品格を纏う、手染めモンクストラップ
「その人が履いてる靴は、その人の人格そのものである」
ということわざがあります。
日本にも「足元を見る」なんて言葉もあるように、
古くから、世界中で靴は人の印象を左右する重要な要素とされてきました。
“革靴離れ”が叫ばれるこの時代に本格革靴を探している方は、
「革靴=自分への投資」という考えに共感してくれることかと思います。
今回、そんな日本男児に贈る“一生モノ革靴”は、
日本最古の紳士靴店『大塚製靴』の高級ライン「M-5」。読み方は「えむご」です。
どれだけ品格に溢れた風貌をしていたとしても、靴はあくまで道具。痛くて履けなければ意味がないワケです。
痛くて履かなくなった革靴が靴箱に眠っている方も多いかと思います。
150年以上の間、日本人の足を見つめてきた大塚製靴だからこそ生み出せる、「日本人にとっての最良の靴」。ぜひ一度体感してみてください。
2つとして存在しないもの。唯一無二という言葉に惹かれる人へ。
街で見かけたら何度見するかわからない、「大塚製靴」ハイデザインワークスの1品です。
手染め、スキンステッチetc…とここでは語りきれないポイントは商品ページでみてみてください。
コスパ抜群。日本製革靴の王道リーガルの弟分が追及する高クオリティシューズ
兄貴分リーガルのクオリティを出来るだけキープしたまま、お手軽価格を目指すコンセプトのとおり、非常にコスパが高い一足に仕上がっています。
▼紹介したモンクストラップのレビュー
ハンドメイドで4万代は破格。職人の手仕事を味わえるインドネシアからきた一足
フランス製カーフレザーで高級感を。雨天のスリップを防止するダイナイトソールで機能性をカバー。
ハンドメイド特有の柔らかい履き心地をこの価格で提供できるのは、ジャランスリウァヤならではと言えますね。
革靴にこだわってみたい人への最初の一足にピッタリなモンクストラップ
本格革靴でも採用されることもあるマッケイ製法を採用しているため、購入後すぐ柔らかい履き心地を体験できます。
1万円前後の価格帯ゆえにレザーの高級感はそれなりですが、革靴フリークの第一歩としてはお財布にも優しくピッタリです。
懐に優しいお手軽価格のモンクストラップ
価格を低く抑えられる合成皮革などを採用しつつ、ビジネスでも履ける最低限の質感をクリアしています。
そこまでお金はかけられないけど、モンクストラップには興味がある方にお勧めの一足といえますね。
スマートなシルエットが特徴の国産シューズ
撥水性の加工を施すことで雨の日でも安心。
オリジナルの木型を採用することで、その細さからは想像できないほど心地よくフィットする履き心地が特徴です。
ただ、素材の取り都合の関係か、個体によって頑丈さに差がでてしまっている台所事情がレビューから伺えるようですね。
カジュアルコーデにピッタリなスエードレザーの一足
今回は、「ブラック」「ベージュ」「マスタード」「ブラウン」の4色のスエードレザーもモデルを紹介。スムースレザーとは一味違う印象でジャケパンスタイルをまとめ上げたいときにピッタリですね。
ダブルモンクストラップは、このウィリアムから始まった伝説のモデル
形状を記憶する特性と型くずれしにくい特性を兼ね備えた最高級のレザーをふんだんに採用。
なかなか手が出せない価格帯の一品ではありますが、大切にケアすれば文字通り一生モノ。革靴フリークなら一度は手にしてみたい一品ですね。
目立ち過ぎず、それでいてお洒落な柄革靴が欲しい方へ。
シューズ側面とかかと部分にほどこされた「ダミエ柄」で非常にお洒落に仕上げられています。
ジャケパンスタイルに華やかな装飾をプラスしたいときにピッタリですね。
あとがき
以上、モンクストラップの特徴とおすすめシューズを紹介しました。
参考になりましたでしょうか?
クラシックなスーツスタイルにもジャケパンスタイルにも合わせられる便利で頼れる、ダブルモンクストラップ。
いつもの靴ひもを碓部革靴ではなかなか味わえない、ラグジュアリーなデザインをぜひ楽しんでくださいね。
『明治生まれの靴博士』編集部の玄木でした。
ではでは。
明治5年から150年近く“日本人の足のための靴づくり”を続けてきた、日本最古の紳士靴ブランド『大塚製靴』。