革靴を身に着けるビジネスマンにとっての天敵といえば、やはり「雨」。
しっかりケアした革靴はそれほど雨(水滴)を恐れる必要はないとはいえ、それでも水が染み込んできたりすると、それだけでモチベーションがガクッと落ちるのは必至です。
昨今はビジネスカジュアル化の波もあって、防水スニーカーで通勤している人も増えているとは思いますが、それでも「革靴を履きたい」「革靴を履かなくては」といった方は多い筈。
そんな中、ゴアテックス®ファブリクスを始めとした素材の開発・登場により、防水性を獲得した革靴がいくつも登場してきています。技術の進歩様様です。
今回の記事では、そんな防水革靴にフォーカスしまして、おすすめのモデルを紹介していこうと思います。
『革靴を買おうと思うけど、雨の日のことを思うと二の足を踏む』
『防水革靴でオススメって何?』
といった悩みや疑問をお持ちの方のお手伝いができれば幸いです。
明治5年創業の老舗ブランド
防水革靴を買う前におさえておきたいポイント
早速、防水革靴を紹介する前に、防水革靴にまつわる「おさえておきたいポイント」を4つほど紹介したいと思います。
ざっと並べますと
- 一足目の防水革靴は「内羽根ストレートチップ」がベター
- 長靴ほどの完全防水性はない
- 天然皮革を使っているタイプがオススメ
- 噂のゴアテックス®は、革の内側に配置されている
以上の通り。1つずつ解説していきますね。
どうせなら、内羽根ストレートチップデザインがオススメ
1足目の防水革靴を購入するのであれば、革靴の中で最もドレッシーな「内羽根ストレートチップ」がオススメです。内羽根プレーントゥでもいいのですが、多分流通量が少なくて探すのが手間かと……
雨でも革靴を履かなければならないシチュエーションとは要するに、ドレッシーな装いをキープしないといけないシチュエーションなはず。
ならば、カジュアルな防水革靴を買っても本末転倒なワケで、選ぶべきはドレッシーな防水革靴だろう……というワケです。
勿論、職場のドレスコードであったり、皆さんの足のタイプが甲高幅広だったりすると、必ずしも内羽根ストレートチップでなければいけない理由はありませんので、あくまでも目安の1つとして参考にしてもらえれば嬉しいです。
長靴の様な完全防水を期待してはいけない
この後、複数の革靴を“防水革靴”として紹介していきますが、基本的な心構えとして、防水革靴に長靴の様な防水性を期待してはダメです。
雨水を受けるぐらいなら問題なくても、ザブンと水に浸かるような状況では ある程度は大丈夫だろうと思うものの どこまで防水が保証されるのかは怪しいところがあります。
革からジワジワ染み込んでくるというよりも、縫製箇所からジワジワきてしまうんですね。
足ムレを考えると、天然皮革を使っている革靴を選びたい
防水革靴は、アッパー素材(足の甲を包む部分の素材)に天然皮革が選ばれているタイプがオススメです。
理由は単純で、足ムレを緩和してくれるから。
ビニール製や合成レザーだと、靴内の湿度が逃がせず(革にも吸収されず)、非常に蒸れやすく不快な履き心地になりやすいんですね。
ゴアテックス®は、革の内側に貼る透湿防水素材のこと
防水革靴に採用される素材の1つに「ゴアテックス®ファブリクス(通称、ゴアテックス)」という素材があります。
ゴアテックスとは、ゴア社が生産している機能系生地素材のことで、防水性(水滴を通さない)と透湿性(水蒸気は通す)を併せ持っているため、「雨では濡れない。汗ではムレない」という素晴らしい履き心地を実現してくれるのです。
ちなみに、GORE-TEX®ファブリクスは、革の下(裏側)に差し込まれています。
革自体が特殊だったり、特殊コーティングされていたりするワケではないので、一般的な革靴と同じようにクリーム塗布&ブラッシングをしてOKです。
オススメの防水革靴8選(日本のブランド7選)
では、ここからは日本のブランドから発信されている防水革靴(一部、革靴スニーカー)を紹介していきたいと思います。
ピックアップしたのは全部で6足(6ブランド)。
その内4足がゴアテックス®採用モデルで、他2足はまた別の素材で防水性を与えられたモデルになります。
実際に購入するときの参考にしてもらえれば幸いです。
※掲載している参考価格や各通販サイトでの販売価格は、2023年11月時点のものです。予めご了承くださいませ。
日本革靴の王道「リーガル」のロングセラー防水モデル
10年以上改良されながら販売され続けている、いわゆる“ロングセラー”モデルであり、リーガルが初めてゴアテックス®を採用した“メモリアル”モデルでもあります。
履き口のスポンジにより、履き口のクッション性と雨水の入り込みをさらに防ぐなど、細かい部分まで“よい仕事”が施されています。
▼紹介した防水革靴のレビュー
ゴアテックスすごい!!
5.0
毎回、靴がへたって来たときに購入してます。バイカーがよく使ってるゴアテックス製品を使っての革靴。
なかなかないんです!
ゴアテックスは雨風が防げて通気性が良いというのが特徴らしく、バイクに乗ってる人は靴屋上着とかにかあるのを選んだりしてます。別に回者ではありませんが、、、気に入ってアカザワさんよく利用してます。
おまけも色々ついてて、役に立ってます!引用元:楽天市場
防水・撥水性の素材名
靴のデザイン
革靴の製法
特徴、キーワード
ブランド名
ピックアップした革靴の品番
日本革靴の王道「リーガル」の防水モデル
リーガルがゴアテックス®を採用したモデル。
履き口のスポンジにより、履き口のクッション性と雨水の入り込みをさらに防ぐなど、細かい部分まで“よい仕事”が施されています。
明治5年から積み上げてきたノウハウ&オリジナルレザーの全天候対応シューズ
オリジナルの撥水レザーと多孔性特殊素材ライニングを組み合わせた「ウォータースマート」を採用。「雨は弾くけど、結局通気性が……」といった弱点を克服しています。
ソールについては、大きな溝と小さな溝が交互に並べたものを独自に開発。『前だけを見つめて、悠々と進む紳士』のために、日本人の足にフィットする立体構造と共に、高い安定感を約束してくれています。
一足持っておきたい、“箔がつく革靴”を全天候型モデルで。
「どうせなら一生モノが欲しい」なんて方におすすめの全天候型、最高級ドレスシューズをピックアップ。
仕立てるのは、和製革靴を語る上で欠かせない日本最古の紳士靴店『大塚製靴』。
こちらは、最高級ラインである「M-5」で展開される、ダイナイトソールを備えた内羽根ストレートチップモデルです。
大人メンズならば一足は持っておきたい(あるいは既に持っている)一品。
そのデザインに雨の日もOKな性能までついちゃったらもう言うことナシですね。
雨に降られた冠婚葬祭、もう靴選びに迷うことはありません。
甲高幅広タイプ紳士はコチラ。4E設計のゴアテックス革靴
靴幅4E仕様の外羽根シューズなので、甲高幅広タイプの足を持つ紳士でも安心して着用することが可能。
「そもそも丁度いい靴サイズが無いのに……」といった方は、是非ともチェックしてみてくださいね。
カップインソールを採用しているため、足あたりと履き心地が優しいのも特徴です。
▼紹介した防水革靴のレビュー
防水・撥水性の素材名
靴のデザイン
革靴の製法
特徴、キーワード
ブランド名
ピックアップした革靴の品番
リーズナブルなゴアテックス革靴スニーカー
他のモデルと同様に、屈曲性とクッション性・軽量性に優れたEVAクッションを採用。
“高級感”や“革靴としてのこだわり”が特にないのであれば、この革靴スニーカーを使い続ければOKなのでは?というほど、クオリティと価格のバランスが丁度いいレベルに収まっています。
細かい部分ではありますが、サイドゴアを採用しているため、紳士として推奨される振る舞いかどうかはさておくとして靴ひもを結んだままでも着脱しやすいのも意外と高ポイントですね。
▼紹介した防水革靴のレビュー
履き心地は良い
4.0
ゴアテックス使用なので、個人的に雨天時使用を考えています。まだ、購入後雨天は無いので、履いていませんが、履き心地はまずまずです。本革なので段々と足に馴染んでくると思います。引用元:公式通販サイト
防水・撥水性の素材名
靴のデザイン
革靴の製法
特徴、キーワード
ブランド名
ピックアップした革靴の品番
普通に“本格革靴”を探している人の選択肢にピッタリな一品
- 日本製 の
- グッドイヤーウェルト製法の革靴 を
- 3万円台 で
発信し続けるスタイルから、“本格革靴の登竜門”と称される日本のブランド『スコッチグレイン』の防水革靴です。
撥水レザーを採用したモデルで、ゴアテックスよりも快適性が高いというレビューも見かけるほど、高いクオリティを誇ります。3万円台でありながら、本格革靴でもあるため、防水革靴ではなく、普通に本格革靴を探している人への選択肢としてもオススメ。
ちなみに、防水スプレーはNGとされているため、勢いでスプレーしてしまわないようお気を付けくださいませ。
防水・撥水性の素材名
靴のデザイン
革靴の製法
特徴、キーワード
ブランド名
ピックアップした革靴の品番
エレガントなビットローファータイプの防水革靴
特殊樹脂処理された「パラウォーターレザー」を採用したビットローファーで、エレガントの印象と共に、実用性の高い防水機能を体感できます。ちなみに、防水スプレーを重ね掛けすることでさらに防水性がUPするとのこと。
かかとのクッションが衝撃吸収しつつ、その衝撃で空気を「かかと⇒つま先」へ送り出す機構を搭載しているため、歩き心地と快適性もバッチリ。
グリップ力も、繊維状のセラミック粒子を混ぜた特殊ラバーの靴底がしっかり支えてくれています。
▼紹介した防水革靴のレビュー
あとがき
以上、防水革靴について色々と紹介や解説をいたしました。
参考になる部分があれば幸いです。
革靴を履く人もシチュエーションも減っている昨今、新しい技術や素材の登場により、革靴が旧来の天敵を克服していくのは嬉しいの一言。
防水革靴を1足備えることで、皆さんも快適でかつ満足度の高い革靴ライフを楽しんで頂ければと思います。
『明治生まれの靴博士』編集部、玄木がお送りしました。
ではまた。
明治5年から150年近く“日本人の足のための靴づくり”を続けてきた、日本最古の紳士靴ブランド『大塚製靴』。