革靴の聖地といえば英国ですが、実は日本にも革靴ブランドが多数あります。
日本人の足型には、日本人に馴染む木型で作られた革靴を。
この記事では日本の職人技が息づく革靴ブランドをご紹介していきます。
「日本ブランド」と「和製」について
日本のブランドであるか、と分けて考えたいのは「日本製」。
必ずしも
「日本ブランド=日本製」
「海外ブランド=海外製」
ではないのです。
例えば「ロイドフットウェア」なんかは日本のブランドですが、生産はなんと革靴の聖地イギリス。
逆に「ジョンストン&マーフィー」はアメリカのブランドですが、大塚製靴やリーガルが作っていた時期もあるんです。
その頃のペアは品質がいいとされているのですが、なんだか誇らしいですね
この記事では、日本生まれ&日本育ちなブランドをご紹介していきます。
【徹底網羅】日本の革靴ブランド一覧&おすすめモデル
※クリックするとそのブランドの紹介へ移動します
リーガル|大塚製靴|スコッチグレイン|ユニオンインペリアル|三陽山長|レイマー|マドラス|宮城興業|ペルフェット|セントラル靴|オリエンタル|銀座ヨシノヤ|ラッドシューズ|ウィールローブ|42ndロイヤルハイランド|ロイドフットウェア|トレーディングポスト|ショーンハイト|ブラザーブリッジ|ハロゲイト|ハルタ|ショセ|イウゲン|アーチケリー|トーキョーフットテーラー|コトカ|鞆ゑ(ともえ)|ユードット|
REGAL(リーガル)
圧倒的な知名度と流通量を誇る『リーガル』はコスパの良さから1足目の革靴としても人気のブランド。
「リーガル」自体はアメリカ生まれなんですが、日本製靴(現リーガルコーポレーション)が1990年には商標権を取得していることから日本ブランドとしてご紹介します。
1-3万円のお手頃ブランドと思われがちですが、
「シェットランドフォックス」や「The MASTER REGAL」など、革靴マニアも唸る高級ラインも展開しています。
価格相場(REGAL):20,000〜40,000円
価格相場(シェットランドフォックスetc):50,000〜150,000円
大塚製靴(オーツカ)
1872年(明治5年)創業の大塚製靴。
150年以上、日本人の足に向き合い続けてきた唯一無二のブランドなので、その履き心地の良さは抜群。
幅広・甲高ゆえに革靴で痛みを感じたことのある方はぜひ試してみてほしいブランドです。
価格相場:50,000〜200,000円
SCOTCH GRAIN(スコッチグレイン)
名前のイギリスっぽさから勘違いされがちですが、スコッチグレインは浅草の「ヒロカワ製靴」さんが手掛ける日本のブランド。
長く履けるグッドイヤー製法を、国内工場で生産。なのにリーズナブル。なことから本格革靴の登竜門と呼ばれます。
上質なレザーをとにかくまとめ買いしたり、生産効率を徹底的に上げたりと、数々の企業努力の結晶によって、3-4万円で本格革靴が手にはいるという奇跡を成し遂げています。
価格相場:40,000〜70,000円
UNIONIMPERIAL(ユニオンインペリアル)
1952年、千葉県で生まれたブランド。製造は世界長ユニオン(ユニオン製靴)📝筆者メモ:2023年に吸収合併のため社名は消滅しました。
マッケイ製法を得意とし、マッケイのユニオンと称されるほど。
イタリアの靴づくりを日本でいち早く取り入れたブランドです。
価格相場:40,000〜80,000円
三陽山長(さんようやまちょう)
ブランドのデビューは2001年ながら、和製高級革靴の地位を確立したブランド。
筆者めも📝:当時は「山長印靴本舗」でした
「品質本位」をコンセプトに、徹底的にハイクオリティな靴づくり。
エントリーモデルは4万円程度ですが、最上級「極」ラインは10万円〜。
筆者めも📝:ECサイトやホームページがかっこいいのでぜひみて見てください
価格相場:50,000〜200,000円
raymar(レイマー)
静岡の有限会社サンレイさんが立ち上げたブランド。
「アシーレ」という、超簡素なビニール靴を郵送するというサービスで、通販でもサイズの不安感なく購入できるユニークな取り組みを展開。
Yotubeもやっていたり、作り手を近くに感じられるブランドです。
筆者めも📝:インスタグラムで#raymarの投稿が多く、革靴好きに支持されている印象です
価格相場:20,000〜60,000円
MADRAS(マドラス)
実はマドラスはイタリア生まれですが、育ちは日本なブランドです。
遡ること明治6年、靴のパーツを作っていた「岩田商店」がアジア製靴になり、イタリア生まれのマドラス社と提携、のちに全世界のマドラス商標権を譲り受けた、という経緯があります。
履き心地を追求しているブランドで、最近はインソールに注力しています。
筆者めも📝:ちなみに三代目 J Soul Brothersの岩田剛典さんは現マドラス社長のご子息です。
価格相場:20,000〜100,000円
MIYAGI KOGYO(宮城興業)
スニーカー通勤が進む中で、宮城興業は「えむわい」というレザースニーカーブランドも立ち上げています。
価格相場:60,000〜70,000円
PERFETTO(ペルフェット)
1985年に千葉で創業したビナセーコー社が手掛けるブランド。
日本メーカーとしては唯一「ピッティ・ウオモ」に出展し続けています。
価格相場:30,000〜60,000円
セントラル
OEMの超名門、「セントラル靴」は浅草のシューメーカー。
三陽山長やTradingPostなど、熟練の職人でなければなし得ない意匠の革靴を作るときに、セントラル靴さんにお願いするんだとか。
ORIENTAL(オリエンタル)
1957年に創業した東洋製靴(現オリエンタルシューズ)さん筆者メモ📝:Oriental:東洋の〜が展開するブランド。
実はブランドの創業は2016年と結構最近です。
ピッチドヒールなど、ビスポークに採用される意匠を多く採用しています。
価格相場:40,000〜70,000円
銀座ヨシノヤ
1907年に創業した「銀座ヨシノヤ」は皇室御用達のブランドとして有名ですね。
「履きよさは、美しさ。」をテーマに仕立てています。
筆者めも📝:皇室御用達はパンプスのようです。紳士靴はまた別のブランド。
価格相場:50,000〜200,000円
The Ruttshoes &Co.(ラッドシューズ)
東京は浅草で生まれたラッドシューズはアメリカンクラシックな革靴が魅力のブランド。
1940年代のミリタリーのラストをベースにし、かつその曲線が美しく出るように手間と技術が必要な「手での吊り込み」をしている稀有なブランドです。
このクオリティ&ハンドソーンが8万円で買えるのも奇跡。
筆者めも📝:米国革靴を代表するオールデンを好きな人はみんなハマります。
価格相場:60,000〜80,000円
WHEELROBE(ウィールローブ)
創業は2010年、浅草。
ボリューム感のあるラウンドトゥが、アメリカ靴のおおらかな雰囲気を感じさせるカジュアル靴が人気です。
筆者メモ📝:コチラもオールデン好きに愛されている印象
価格相場:50,000〜70,000円
42nd ROYAL HIGHLAND
海外ブランドの輸入販売も手掛けつつ自社ブランドも展開。
色気を醸しつつ、作りは英国靴の質実剛健さそのもの。
イギリス靴の雰囲気が好きだけど自分の足に合わない…とお悩みの方はぜひお試しください。
価格相場:30,000〜80,000円
Lloyd Footwear(ロイドフットウェア)
日本人の足型に合った靴を企画し、製造は靴の聖地・ノーザンプトンで行うという稀有なブランド。
英国靴好きはぜひ。
価格相場:50,000〜150,000円
Trading Post(トレーディングポスト)
インポートから国内ブランドまで、革靴セレクトショップの代名詞的存在が手掛ける自社ブランド。
全国に店舗を展開しているのも、サイズの不安がある革靴では嬉しいポイントですね。
価格相場:40,000〜100,000円
Schonheit(ショーンハイト)
千葉に工場を構える東立製靴さんが手掛ける自社ブランド「ショーンハイト」。
靴のバリエーションは少なめですが、クオリティに対してあまりにもお手頃。
「革靴ちょっと好きかも…?」くらいの時でも気軽に手が伸ばせるおすすめブランドです。
公式通販はYahooショッピングです。
筆者めも📝:オーダーもやってるので見てみてください。筆者はレーデルオガワ製 水染めコードバンでオーダーしたい。
価格相場:15,000〜30,000円
BrotherBridge(ブラザーブリッジ)
浅草を拠点にミリタリーテイストの革靴を仕立てるブランド。
長く愛せる丈夫さを備えたプロダクト。
筆者めも📝:海外ブランドだと、サンダースに近いかも?
価格相場:50,000〜70,000円
HARROGATE(ハロゲイト)
筆者めも📝:ちなみにインドは英国植民地だったこともあり、ブリティッシュメイドが得意なお国柄です。
価格相場:30,000〜40,000円
HARUTA(ハルタ)
学生ローファーのイメージが強いゆえに、認知度は高いのに革靴を買う時の選択肢にならないですが、ローファー以外の革靴も使い勝手抜群に揃っています。
特に、革靴のケアとかせずに気軽に履きたいな、なんて人にはおすすめです。
価格相場:10,000〜20,000円
chausser(ショセ)
2000年にスタートした日本のブランド。
どこかあたたかみとヴィンテージ感のある雰囲気で、履く前からすでに愛着が持てるような靴を展開しています。
筆者めも📝:レディースも豊富に展開しているのは結構珍しい。
価格相場:50,000〜100,000円
Iugen(イウゲン)
2019年にスタートしたローファー/スリッポン専門の革靴ブランド。
母体はユニオンインペリアルを製造する、世界長ユニオン(現オカモト)なこともあり、品質はお墨付き。
他ではあまり見かけない“少し”変わったデザインが魅力です。
価格相場:40,000〜50,000円
Arch Kerry(アーチケリー)
ブランドのスタートは2020年ながら、ヴィンテージ好きを中心にすでに多くのファンを獲得しているアーチケリー。
オーダーが人気ですが、既製靴も展開されています。
筆者めも📝:マイサイズのデッドストックがいつでも購入できる、みたいなイメージです。すごい。
価格相場:80,000〜90,000円
TokyoFootTailor(トーキョーフットテーラー)
靴づくりのまち、浅草を拠点とする靴工場4社がタッグを組んで2021年新たに始まったプロジェクト。
60足のサイズゲージで、ぴったりマイサイズに出会うことができます。
筆者メモ📝:24.5cm以下はそもそも展開していない、みたいなブランドも多いなかで貴重なブランド。足が小さいけどフィットする靴が欲しい…けどビスポークは高すぎる…みたいな人におすすめです。
価格相場:40,000〜60,000円
KOTOKA(コトカ)
実は奈良も靴づくりのまち。そんな奈良の靴メーカー7社が共同で立ち上げたブランドです。
日本人のための靴を、日本的美意識のデザインで作る。
そんな日本の感性で靴づくりをされているブランドです。
筆者メモ📝:経年変化が好きな人はぜひ見てみてください
価格相場:30,000〜50,000円
鞆ゑ (ともえ)
日本人のための履き心地の靴を、イタリア靴、フランス靴、アメリカ靴のそれぞれのデザインに落とし込んだラインを展開しています。
価格相場:30,000〜70,000円
U -DOT(ユードット)
浅草発のU-DOTは、靴のパーツのカスタムができるのが魅力。
スムースレザーからハラコまで、ブラックからビビッドなイエローまで。多種多様なパーツをカスタムできます。
筆者めも📝:ここまでカスタムできるのにこの値段なのはすごい。推しのテーマカラーをさりげなく取り入れる推し活にもいいかも…?
価格相場:30,000〜50,000円
まだまだ書ききれないビスポークブランドなどは、随時追記していきます。
今こそ目を向けたい日本の革靴ブランド
余談にはなるんですが、今買うなら和製革靴!と大きな声で言いたいです。
というのも、靴好きの皆さんはすでにキャッチされているかと思いますが、昨今はどのブランドも値上げに次ぐ値上げ。特に海外ブランドはかなり手が伸ばしにくい値段になってしまいました。
“英国の良心”とも呼ばれたチャーチですら18万とかです。
なので、今こそ国産和製革靴への回帰。
海外ブランドと比べるとどれもお買い得だと思います。
ただ日本ブランドであっても、レザーは海外からの仕入れも多いかと思うので、いつ値上げしてもおかしくない状態です。もう、今買っちゃうのが一番お得です。と、筆者は自分に言い聞かせています。
あとがき
ここまで日本の革靴ブランドをご紹介しました。
世界に誇るメイドインジャパンの革靴、ぜひ一生モノの一足にお迎えくださいませ。